少年を想う。

2010年1月28日 日常
午前9時半。
大好きな読売新聞「編集手帳」を読んでいて、仕事中なのに不覚にも涙を零してしまった。

いつも皮肉混じりで、読んでて「うまい」「面白い」と思うことが多い。まぁ、他人の文章に「うまい」とか言える人間ではないのだけど。
でも、今日は違った。
その文章を読んで、単純な心で泣いてしまった。
きっと文章の作用もあるのだろう。
すんなり届くから泣けたのかもしれない。


親から虐待を受けて亡くなった小学生の男の子の話だった。
亡くなる数日前に近所のおじさんからお父さんにいじめられてないか訊かれた少年の答えはNOで「悪いことをすれば怒られるけど」……。

筆者は、こう続ける。
――もっといい子になれば優しくしてくれると、けなげに信じていたか、小さな胸の内は知るべくもない――
――痛くて悲しい仕打ちに、あなた方をかばうことで報いた子である。どんな青年に育っただろう。この世に二つとない宝物であったと、そう思わないか。父よ。母よ。――

お父さんは、実の父親じゃなかった。
でも、一緒になった人がお腹を痛めて産んだ子供。同じように大事な人だと思って欲しい。
母親まで一緒になって虐待するなんてあっちゃいけない。
そう思うのは、わたしがまだ未熟だからなのか。
頭がぐるぐるした。

子供ちゃんはすごい。
ひねくれていようが素直であろうがみんな等しく子供特有の何かを持っていて、それをすっかり忘れると大人になる。
この少年の健気さは、わたしが忘れてきちゃった何かによって構成されていたのかな。
7歳って、まだちっちゃいサイズの机と椅子に座る小学校1年生。
ずっと、どんな想いで過ごしていたのかな。
楽しいことあったのかな。
お母さんお父さん好きだったのかな。
美味しいもの食べてたのかな。
普段から笑えてたのかな。
友達はたくさんいたかな。
初恋はまだだったかな。

少年のことを、ずっと考えている。
神様はちゃんと見ていた――もし亡くなった少年に言葉をかけられるなら、そう言ってあげたい。

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